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本を読む日々の身辺雑記


by aokimugi

勾玉三部作

今日、青森の友人から本が届きました。
いつもおくることの方が多いので嬉しかったです。ありがと~!
これからゆっくり読ませてもらうね。

ところで今日、バイト先でいいものをもらってしまいました。ふっふっふ。
最近荻原規子さんの勾玉三部作が佐竹美保さんのイラストでノベルス化されました。
その第二作「白鳥異伝」のポスターをもらってしまったのです!!!
今日はあまりに暇だったので新書担当の人とちょっと話しをしていたところに、偶然非番のバイトの同僚がやってきて「薄紅天女」(勾玉三部作の三作目)を買っていったので、ついつい勾玉三部作の面白さについて熱を込めて語ってしまいました。
そうしたらその新書担当の人が
「それじゃ、ポスターとかあったら欲しい?」
と聞いてくれてあっさりもらってしまいました。・・・私があまりに喜んでいたので、第一作目のポスターまでかなり頑張って探してくれてました。いい人だ・・・。結局出てこなかったので捨てられた可能性が高いそうです。(泣)

勾玉三部作を初めて読んだのは中学三年生くらいだったかと思います。
古代の匂いのする濃密な物語を図書館から借りて一気に読んだ幸福な時間を覚えています。
と言っても今回ノベルスを手に入れるまでにあらすじをほとんど忘れてしまっていたので、まるで初めてのようにどきどきしながら読めました。
じ、自分の記憶力の無さに乾杯!・・・・・・。
それでも少しは成長していたのか、以前よりもずっと物語の背景や源流を理解しながら読むことができたと思います。
特に卒論の関係で最近ちらちらと古事記を読んでいたのが大きかったです。古事記を読んでから「空色勾玉」を読むと、おおっ!と思う箇所がいっぱいあります。
興味のある方は是非どうぞ。(笑)
もちろんファンタジーなのでこういう古典の知識がなくても十分楽しめます。でも、元ネタが分かると二倍美味しいと私は思います。

三部作の一作目はまだ神々が地上におわす神話の時代を、二作目はヤマトタケル伝説を下敷きにした人の世の伝説の時代を、三作目は坂上田村麻呂が帝に蝦夷討伐を命じられたという現実の歴史の時代を舞台としています。時代を超えて引き継がれる輝(カグ)と闇(クラ)の戦いの中で出会う少年と少女の恋の話です。
西洋のファンタジーでよくあるような光=善・闇=悪、の図式ではなく、輝(カグ)はイザナギノミコトひいてはその子孫である皇帝(スメラギ)を、闇(クラ)は死と地の女神であるイザナミノミコトひいては朝廷に仇なす勢力・・・地に近い場所で生きる人々として描かれています。
苛烈に輝き、穢れを認めない「輝」の力を、死を認めることで新たな生を育む「闇」の女神の力が
慰め中和していくのが大きな物語の流れとなっています。
争いをするどちらの側も「正義」としては描かれていません。
だからこそ、人の醜さも美しさもまざまざと知り、憎しみを知り、愛情を知り、身を切るような別れ、胸躍るような出会いを経て、自分と違うもの存在を受け入れ成長していく主人公達の姿が魅力的なのです。

ところで、実はこれの続きに当たる「風神秘抄」をまだ読んでいません。
まだ発売されてそんなに経っていないので無理だとは思いますが、早くノベルス化されないものだろうか・・・・。
by aokimugi | 2005-11-22 03:34 | 小説・ノンフィクション